2021.6.10 増子会長挨拶

 新型コロナウイルス感染予防対策としてワクチン接種が加速されてきており、会員の皆さんの中にも、すでに2回終了された方、まだの方等々ありますので、引き続きマスク使用しながら感染防止に努め、会を進めて行くことといたします。ご協力よろしくお願いいたします。

 2020―21年度最終月となりました。今月は例会を2回開催することといたしました。次回6月24日(木)が最終例会となります。永山久夫先生の講演を企画しました。会員はもとより、家族の方、会社の方々等多くの皆さんに聞いて頂きたいと思っております。

この1年間、各事業が変更の連続となり、予定通り実施できず恐縮しております。交流の機会も少なく会員の皆さんにはzoomによる例会対応等々ご協力ありがとうございました。
6月は親睦活動月間でもありますので、交流を図れる事業を実施出来ればよかったのでしょうが、新型コロナ禍と言う状況の中ですので講演会をもって最終例会とした次第です。

 本日6月10日は時の記念日です。日本で最初に時計による時の知らせが行われたことを記念して始まりました。それは、671年4月25日(飛鳥時代)に漏刻と呼ばれる水時計を使って時を知らせたことに由来、その日を太陽暦に換算して定められたことに由来します。

 幕末から明治初期、外国人技術者等が日本人に仕事を頼むと中々予定どおり進まなかったとの記録があるように、日本人は時間にルーズだったとのこと。それには、古来から日本では1日を12等分して十二支を当てはめていた。昼夜をそれぞれ6等分し、1日12等分で時間を把握していました。いまでも名残として正午(午の刻)お八つ(未:ひつじの刻が午後三時になる。)の呼び方をする。日の出や日没を目安にして動いていたことに起因するようです。

 第1回「時の記念日」は大正9年、時間厳守、時間割による行動規律や時間を節約することによる効率性の向上、近代生活の基本として位置付けられ始まったものです。大河ドラマで放映中の「晴天を衝け」主人公の渋沢栄一も、生活改善運動にも関わり時の記念日活動に貢献しているようです。
私たちのロータリークラブにおいても、行動の基本として、開会・閉会時間は特に厳守されております。

 時間にまつわる名言、

 「時は金なり:タイム・イズ・マネー」米政治家ベンジャミン・フランクリンが1748年若い社会人向けにしたアドバイスが語源とされています。日本と違い「機会損失」と言う直接的な意味合いをもっていました。

 「時というものは、それぞれの人間によって、それぞれの速さで走るものなのだ」・・・ シェイクスピア

 「少年老い易く、学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず。」         ・・・ 朱子

 「珠玉の時間を無為に過ごさないようにと注意を受けたことがあるだろう。そうなのだが、無為に過ごすからこそ
  珠玉の時間となる時もある。                 ・・・ジェームス・マシュー・バリー

 ・・・どんな無駄な時間でも、意味をもって過ごすことで無駄ではなくなる。(一理ありますね。)

 「時のある間に花を摘め」・・・時は絶えず流れ行き今日微笑んでいる花も明日には枯れてしまうのだから。

難しい判断ですね。皆さんはどうでしょうか?

 「朝7時に起き、夜11時に就寝すれば、たっぷり16時間ある。大抵の人は一日中なにか仕事をしている。ただ
  一つ違うのは、彼らの仕事は非常に多岐にわたり、私はたった一つの仕事にすべてのエネルギーを集中する点
  だ」                             ・・・トーマス・エジソン

 「時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した
  人がこの世の中の成功者なんだ」                ・・・ 本田 宗一郎 

コロナ禍で生活スタイルが大きく変わり、時間の活用を見直した方も多いのではないでしょうか。時間について考えるきっかけになれば幸いです。

次の話は、少し肩苦しい内容になりますが、「農業・食料・農村とSDGs」についてです。農業分野では、六次化農業や地場産品の開発促進等お聞きになっていることと思います。
私も職業を農業と掲げ取り組んでおりますが、思うように進まず悪戦苦闘というところです。
前職を終えた、私たちの年代の人は肩の荷を降ろし、趣味の時間を謳歌している人が多い中、私が選んだのは、もう一度荷物を背負って歩く道、農業への取組の道を選びました。これがなかなか重たい、苦戦しております。

ここで皆さんの前でお話させていただくことにしたのは、話すことによって自分にプレッシャーをかける、或いは逃げられなくする、続けるための決意の場としたいとの思いから話させていただきます。

農林水産省では、「農業×環境・技術×SDGs」を掲げております。私も就農して早や7年の歳月となります。掲げる目標が夢まぼろしで終わるのか、希望が無謀に変わるのか、未知なる挑戦が続いております。なぜ、私が農業、特に稲作を行うのかについてですが、根底にあるのは、日本の食文化の中心にある米食文化に危機が迫っている。と言ったら大げさかもしれませんが、瑞穂の国と謳われる日本人の根幹を成す稲作が高齢化や後継者不足、魅力低下している。ふるさとの里山や田園風景が荒廃しないよう、自分に出来ることをやろうと思い始まったことです。

農林漁業は自然資本や環境に大きく左右される、言い換えれば環境が産業の命運を握っているのです。しかし、現状では、山間地域に行くほど、耕作放棄された田畑が多く、原野化してきております。せめて自分が暮らす地域の田園風景だけは守りたい、山間地の稲作文化を次の世代に引き継ぎたいと思うことが始まりです。

以下の内容は農林水産省ホームページの引用となりますが、農業は土壌や水等自然資本を利用し食料の生産をするだけでなく、洪水の制御(田は自然のダム)であり、農村景観や生態系に係る多角的機能を担っています。

持続可能な農業の推進、農山漁村を含む地域の活性化、所得向上、雇用の増大のため、地域資源を活用した魅力あるコンテンツを磨き上げる。これらの観点から、農業におけるSDGs(持続可能な開発目標)により幾つかのゴールを掲げ安定的な農業推進を図るとしています。

それらを通じ
①米、麦、大豆等の重要な農産物を生産する農業の担い手に対し経営の安定に資するよう、諸外国との生産条件の格差から生じる不利を補正するための交付金対応
②農林水産業、食品産業に異分野の知識、技術等を導入して革新的な技術シーズを生み出すとともに、それらの技術シーズを商品化、事業化に導き国産総産物のバリューチェーンの構築に結び付ける。
③収穫や調整作業に多くの人手が必要で障害者の就労機会を創出しながら経営が出来る農福連携。

このような大きな目標とゴールには遠く及びませんが、私の米作りのコンセプトの一つに、「形を変えてでもコメをたべてほしい。」と言うのがあります。そして、「健康に貢献できる米の生産」をすることで、地域の賑わい創成にも結び付けばと思っております。

地域内でのサプライチェーン体制作り、米の生産を私たち地元の農家が行う、出来た玄米を地元の米専門製粉業者へ製粉依頼、同じく地元の製麺業者との連携による米粉生麺の開発、販売先確保等々です。
私たちの作るお米は、高アミロース米です。難消化デンプンの構造を持ち、カロリー制限や糖分の吸収が緩やかと言われているものです。このお米で麺を作り、食べていただくことでお米食離れを少しでも食い止められれば良いなと思い挑戦しております。

こうして私がもう一度荷物を背負う決心をすることができたのは、ロータリークラブ会員の皆さんとの出会いがあったからです。会員の皆さんがそれぞれの職業に専念する姿に接し、挑戦する気持ちを持つことができました。これからも苦闘は続きますが、会員の皆様の技術や知見、ご指導をいただき務めてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。 ご清聴ありがとうございました。