2021-22年度会長を務めさせていただきます金澤です。新年度の始まりにあたりご挨拶を申し上げます。
早いもので東日本大震災から10年が経過しました。震災後に入会しました私にとりましては、毎週の例会を当たり前としていた震災前からの会員の諸先輩方に比べて、4分の1の経験しかありません。実感としてはまだ入会2-3年目の気がしております。
浪江ロータリークラブにおきましては、震災により解散を余儀なくされた近隣クラブもあるなかで、創立50周年、51年とクラブ存続にご尽力頂きました諸先輩方のご尽力に感謝を申し上げます。
震災後10年とは言え、浪江ロータリークラブテリトリーであります双葉町、大熊町におきましては、ほぼ全町帰還困難区域であります。この2町では一部復興拠点の特例解除がようやく始まりましたが、町民の帰還宣言も来春の予定とされており、先の長い復興のスタート地点にようやく立てるのかという気がします。先行して一部地域解除の浪江町におきましても、実態は避難指示解除3年経過にして旧町民の帰還は約20分の一の千人程度にとどまっております。新規転入町民も500人前後と低迷しております。浪江ロータリークラブ会員の皆様もほとんどの方が二地域居住や避難中であり、震災前の穏やかな日常が戻っているとはお世辞にも言えません。
また一昨年よりの新型コロナウイルスの流行により、ロータリークラブ活動にも多大な影響がでておりますことはご承知の事と思います。東京オリンピックは開催されるようですが、このウィルスとの戦いは人類未知の経験であり、オリンピック後の日本の状況や、一年後の状況は予想もつきません。浪江ロータリークラブにおきましても、この混沌とした状況の中でも、臨機応変な対応をして参り、ロータリークラブ活動を継続して参りたいと思っております。
浪江、葛尾、双葉、大熊の双葉郡北部では、イノベーションコースト構想、水素を重点とした脱炭素社会構想、国際教育拠点構想など、派手な見出しの構想が計画されております。そしてその陰で、汚染水処分問題や放射性廃棄物問題、いつ終わるかわからない廃炉作業があることも忘れてはなりません。
そのような厳しい状況の中で、浪江ロータリークラブとしましては、双葉郡北部テリトリーの各町村の特徴を再認識し、社会奉仕や環境保全のロータリークラブ活動に生かしていきたいと思います。
そして2021-22年度 シェカール.メータRI会長テーマは〜奉仕しよう みんなの人生を豊かにするために〜であります。シンプルでわかりやすいテーマですので、クラブとしても個人としても実践に心がけてまいります。浪江、双葉、大熊、葛尾の、終わりの見えない真の復旧復興、その大きな目標を抱きつつも、まずは今できることは何なのか現状を正しく認識し、そこから前進するためには何をしなければならないのかを考えましょう。結論は1つではなく視点は多角的に、また様々な意見、その多様性を尊重しましょう。そして明日の希望をめざしつつ、今日の足元の小さな1歩から行動して参りましょう。コンセプトは『歩み堅かれ目は遠く』です。