2024.1.25「会長の時間」

こんにちは。また私の大嫌いな時間がやってまいりまして…半年たっても人前で話すのは慣れません…6月の最後の会長の時間の頃は慣れるんでしょうか?…今日もしばしお付き合いをお願い致します。

つい先日、新しい年を迎えたばかりだと思ってましたが、早くも1月が終わろうとしておりまして…年を取るとほんとに時間が経つの早く感じます…という事で今日は年齢と時間の経過についてお話をしたいと思います。

年末になると「今年も一年早かったな~」なんて言葉が出てくるのと思います。そんなわけないと思いながらも、あっという間の一年を思い、ついつい口に出してしまうこの言葉。実はこれ、本当だったようです。

私たちの一年は、年を取るごとに毎年少しずつ早くなっていると感じる、と証明する法則があったのです。19世紀フランスの哲学者に『ポール・ジャネ』という方がおりました。この方は時間が短く感じる理由を心理学的に明らかにし、【ジャネーの法則】という法則を提案しました。この法則を要約すると、生涯のある時期における時間の心理的長さは、その時の年齢の逆数に比例すると述べています。これだけだと、難しくてよく分かりませんよね。この法則にのっとって一年を式で表すと・・・1÷年齢=感じている一年の長さ となります。

ここで簡単な例を一つ。4歳の子供が感じる一年の長さは1÷4=0.25年なのに対して、80歳の方が感じる一年の長さは1÷80=0.0125年にしか感じないということです。その差なんと20倍!!もちろん、これはあくまで理論値であり、実際にはここまで短く感じるといったことはないのでしょうが、それにしても驚きの数字です。ただ、言われてみれば思い当たるフシがある方もいるかと思います。

では次は、その理由について説明します。何故、一年は段々と短く感じるようになるのかについてです。法則が理解できたからと言って、それだけで「ああ、一年は年を取れば短くなるんだな」と納得できる方も少ないでしょう。そこで、心理学者の方も意見などを参考にして、ジャネーの法則を裏付ける理由を探してみました。

私たちは、体の代謝がよければよいほど、実際の時間を長く感じるそうです。若いほど新陳代謝はよく、年を取れば取るほど、どんどん代謝は衰えます。ただ、これに関しては体を鍛えることで、ある程度以上新陳代謝を高く保つことは可能です。

そう考えると、健康的な生活をしている方は、時間が経ちにくいと言えるのかもしれません。つまらない授業や会議の時に限って、やたらを長く感じることってありますよね?実は、あれも理論的に証明されているそうです。私たちは、心拍数でも時間の流れの感じ方が大きく変わるとのことです。このため、楽しいことや興奮することで心拍数が上がっていると、いつもよりもその時間が早く過ぎるように感じます。反対に、つまらない授業、退屈な待ち時間などは頭や体もあまり動いておらず、心拍数も普段よりも低くなっています。このため、普段よりも時間が長く感じてしまうのです。ジョギング・マラソンなどの運動をしていて、ふと時計を見るとあっと言う間に一時間位経過していた経験ってありますよね?運動による心拍数の増加が、そのまま時間経過を早めていたのです。

私たちは、記憶にない新しい出来事に遭遇したとき、その瞬間をとても長く感じる生き物です。子供の時には人も、車も、建物も、昆虫も・・・全てが新鮮で、印象深いものだったのではないでしょうか。新鮮なものにあふれた世界で生きていた子供時代は、毎日がとても長く感じていたというわけです。しかし大人になるにつれて、私たちはあんなに新鮮だった世界も徐々に見慣れてきます。すると、繰り返しの毎日が段々と変化の乏しい毎日へと変わり、次第に時間の流れが早くなっていくのです。社会人生活が長くなるにつれ、一年が早く感じるのも仕事に慣れ、新鮮さがなくなってきたからかもしれませんね。逆に言えば、フレッシュな新しい体験をしている方ほど、時間は遅いとも言えます。

例えば、新しい場所に旅行に行く、普段と違う通勤路を使ってみる、新しい趣味を見つけるなどなど、今まで体験したことのないものに貪欲にチャレンジする=新しい経験をする方ほど、時間経過は遅いです。趣味に没頭している方、エネルギッシュな生活をしている方ほど若々しいのは、時間の流れが、他の方たちに比べて若い人に近いことが影響しているのかもしれません。

どうだったでしょうか?年を取るにつれ、段々と一年が早くなっていく理由がわかったのではないかと思います。ちなみに、毎日を充実させて新しい体験や、新しいチャレンジなどを積極的に行っていく人は、いくつになっても毎日感じる時間があまり変わることのないです。

もし時間が過ぎるのが早く感じるのなら、毎日に刺激がなくなっているサインなのかもしれません。そんな時は、新しいことにチャレンジしてみてください。きっと、あなたの毎日が、もっと長く、そして充実したものに変わると思います。是非、ロータリー活動を通して、毎日を充実させてみましょう!

23⁻24年度会長 松本 敬三