2022.11.10「会長の時間」

1110日  皆さん、こんにちは。どうぞよろしくお願いいたします。

本日は越谷北RC様より大島会長、江口幹事をはじめ6名の皆さまにお越しいただきました。
浪江の地に来ていただきましたこと、感謝申し上げます。

先週2日越谷北RC様の例会に、当クラブより5名でお伺いしてきました。素敵な例会場、そして例会、さらには会報の配信までを見させていただきまして、私たちももっともっと例会のレベルアップが必要であると感じさせられた例会でした。たいへんお世話になり、ありがとうございました。

さて、先月末29日に第2530地区の「職業奉仕委員会セミナー」に、私と小黒幹事、泉田副会長、地区研修委員会に出向している伊藤パスト会長、同じく会員増強拡大・DEI委員会の増子パスト会長の5名で参加してきました。    職業奉仕とはロータリーの目的、第2の「職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事は価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものとすること」いわゆる職業を通じての社会奉仕そのものです。

今回は株式会社ハードオフコーポレーションの代表取締役会長の山本善政氏より「わたしにとっての4つのテスト」という演題での講演を聴いてきました。皆さんも見かけたことのあるリサイクルショップのハードオフやブックオフの創業者であり、第2560地区、新潟県新発田RC28年間在籍されていました。

山本氏は1970年に大学を卒業後、スーパーマーケットで2年間働いた後、1972年に楽器店「サウンド北越」を創業、高度成長期の流れにも乗り北越地方を中心に10店舗ほどに店を増やし、当時新しく出てきたパソコンの取り扱いも行っていました。しかしバブル崩壊により売り上げが一気に半減、資金繰りにも困り、新しい業態を模索し続けて1993年リユース品の仕入れ販売を行うハードオフに業態変更しました。1号店をオープンさせて、その後ほかの店舗も順次ハードオフへと業態変更させていきました。

1号店オープンの資金は銀行では融資してくれず、楽器やパソコンの閉店・処分セールで捻出したとの事でした。   ダーウィンの進化論で、生き残るものは変化できるものである、逆に変化できなければ絶滅してしまうという事にもふれられました。

メーカー主導で価格決定権を持てない通常のメーカー仕入れでの小売業ビジネスの限界、さらには楽器という特殊な商品・限られた市場規模。そこで家庭などに眠っている生活用品や本、衣料品、家電製品などを掘り起こすリユース・リサイクルビジネスに目をつけ、まさに事業のリセット、事業再構築を行い、第2次創業を果たしました。おりしも世の中では大量生産大量廃棄からエコロジー、もったいない、地球にやさしいという新しい価値観が生まれ始め、地球にやさしく資源を大切にする循環型社会へ向けたリユース、リサイクルビジネスの可能性が高まっていました。現在は直営店396店フランチャイズ店518店の合計914店を構えています。フランチャイズ事業は、同じく楽器店や家電店など同業者などの、事業転換の支援という意味合いもからスタートさせたとの事です。

常に、正しいビジネスモデルであるのか、時代に合って優れたものであるかどうかを考え、3つのキーワード
①エコロジーとエコノミーの共生 ②社会課題、困っていることを解決する ③価格の決定権を持つこと、自分で値決めできることをベースに経営を進めてきました。

「不易流行」という言葉にもふれ、 不易とは時を超えた不変の真理~志や経営理念、創業の精神など。そして、流行とは時代や環境変化によって変えるもの~ビジネスモデル、戦略、戦術の両面を活かした経営が重要であるとの事でした。

ロータリーで学んだ四つのテストも経営理念としてアレンジして ①社会のためになるかどうか  ②お客様のためになるかどうか  ③社員・スタッフのためになるかどうか  ④会社のためになるかどうか  常にこの4つを満たすことを心掛けてきました。

リサイクル、リユースは時代のニーズです。アパレル・衣料品市場では数年前まで、大量生産大量廃棄がなされ、ピーク時には年間29億着作られて、15億着売れ残る、それらは値下げ処分やアウトレット、輸出やリサイクルなどに回され、それでも相当部分は廃棄されている状況にありました。住宅市場においても2018年の資料ですが、総住宅数6240万戸(集合住宅含む)、848万戸もの空き家がある現状です。食品ロス・食糧廃棄についても、日本人一人1日当たり113g軽くご飯一杯分くらいの量ですが、年間ですと41kgにもなります。食糧自給率カロリーベースで38%、エネルギー自給率わずか12%の日本。変化の激しいこれからの時代、自らの仕事や会社を考える上で、示唆に富み、参考になる講演でした。

そして本日ゲスト卓話を頂戴する北村様、たいへん楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

2022-23年度会長 松原茂