2023.9.21「会長の時間」

こんにちは!今日も暑い中、例会にご参加いただきましてありがとうございます。この後の会員卓話、本日は我がクラブの重鎮であります、重富先生のお話しです。医療関係のお話しだとの事で楽しみです。

さて、暦の上では今は秋の彼岸に入っております。ですので、お彼岸についてちょっと皆さんにお話しをしたいと思います。

彼岸には、3月の春彼岸と9月の秋彼岸があり、春分の日、秋分の日を中日として、その前後の3日を合わせた7日間を彼岸といいます。また、最初の日を「彼岸の入り」と呼び、最後の日を「彼岸明け」と呼びます。

 

続いて、このお彼岸にお墓参りをする理由ですが、

春分と秋分は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日ですが、お彼岸にお墓参りに行く風習は、この太陽に関係しているそうです。仏教では、生死の海を渡って到達する悟りの世界・あの世を「彼岸」といい、その反対側の私たちがいる迷いや煩悩に満ちた世界、この世を「此岸(しがん)」と言うそうです。そして、彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽が真東から昇って真西に沈む秋分と春分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考え、先祖供養をするようになりました。

またお彼岸にお墓参りに行くタイミングですが、お彼岸のお墓参りは、いつ行けば良いのか迷う方も多いようです。ですが彼岸の期間であれば、どの日にお墓参りをして良いのだそうです。彼岸の中日は祝日ということもあり、お墓参りに行く方が多いのですが、最終日となる彼岸明けにお墓参りをしても問題はありません。大切なのは、ご先祖様や故人を大切にする心です。ご自身の都合のよい日にお墓参りをするとよいとされております。

また、お彼岸は日本独自の行事だそうで、春の種まきや秋の収穫とも結びつき、自然に対する感謝や祈りがご先祖様に感謝する気持ちにもつながって、お彼岸は大切な行事となりました。また、彼岸の中日である「春分の日」「秋分の日」は国民の祝日であります。祝日法による趣旨は、

  • 春分の日……『自然をたたえ、生物をいつくしむ日』
  • 秋分の日……『祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日』 と定められております。

続きまして、お供え物についてですが、基本的に花は仏花(菊や白い花を中心に。トゲ、毒、強い香りのある花は向かないとされている)となりますが、季節の花を添えたり、故人の好きだった花でまとめたりすることが多いです。とくに決まりがあるわけではないので、気持ちに添うかたちで構いません。供物や食べものといえば、「ぼたもち」と「おはぎ」ですが、基本的には同じものです。その季節に咲く「牡丹」と「萩」の花から、春は「牡丹餅(ぼたもち)」、秋は「御萩(おはぎ)」と呼び分けるようになり、作り方にも花の姿が反映されるようになりました。また、小豆の収穫期は秋なので、秋の「おはぎ」には皮ごと使ったつぶあんを用い、春の「ぼたもち」には固くなった皮を除いたこしあんを用いていたそうです。現在はこうした違いにあまりこだわりませんが、昔の人の感性なのでしょう。

それと、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、

春分と秋分は、いずれも二十四節気(夏至・冬至・立春などの季節を表す言葉)のひとつで、暦の上では春と秋の中間地点となります。そして、春分と秋分に昼と夜の長さがほぼ同じになり、春分以降は昼が長く、秋分以降は秋の夜長に向かいます。

つまり、

春分以降は昼が長くなってゆき、寒さが和らぎ暖かくなる

秋分以降は昼が短くなってゆき、暑さが和らぎ涼しくなる

となります。
ただし、昼と夜の長さがほぼ同じだからといって、春分と秋分の気候が同じになるわけではありません。暑さの名残で秋分のほうが10度以上も気温が高いのですが、秋分のころに厳しい残暑や寒さも目処がつくため、「暑さ寒さも彼岸まで」というようになりました。また、お彼岸は迷い、悩み、煩悩に惑わされている人間が、悟りの世界と通じるときでもあります。自然に寄り添う暮らしの中で、暑さ寒さやそれに伴う様々なつらさも、彼岸のころには和らいで楽になるよ……「暑さ寒さも彼岸まで」には、励ましの意もあったのです。

23⁻24年度会長 松本 敬三